こんにちは、ぽんたです。
「抑うつ状態」で休職中である、教員の旦那のことについての続きを書いていきます。
今回は、旦那が落ち込むようになってからの生活で最も怖かったことと、私が行ったことで良いことか悪いことかはわかりませんが、今でも後悔していないことを書きたいと思います。
よろしくお願いします!
前回までのあらすじ
旦那に対して私がどう言葉かけをしたのか、どう対応したのか、その中でも失敗したなと思うことを書きました。その結果を受けてなのかどうなのかはわかりませんが、最悪な事態を招くことになります。
前回の記事です。
ツレが抑うつになった話の最初の記事です。
怖くて眠れなかった日
最も怖かったこととは
ここまで読んでくださっている方は、もしかしたら察しがついているかもしれません。
結論から言いますと、私が最も怖かったことは、旦那が自ら命を絶とうとしたことです。
以前も旦那は私の前から居なくなろうとしていました。実行していたとしたらそれもゾッとするのですが、実際に行動まではしておらず、二度としないと約束したので、心のどこかでそういう行動はもうしないと思っていました。
その当日の日中の私
その日も、朝もいつも通り泣きながらも出勤していきました。
私はというと、産休に入っていましたので、その頃は見送った後、何をするにも手につかず、以前の職場で頼りにしていた先輩に相談したり、神社に手を合わせに行ったりとなにかできることは…と探していました。
その時に、先輩からの助言で、「精神科で診断書をいただいて仕事から一度離れる」という手段もあるよ、と伺いました。
これを聞いたとき、そういう方法もあるのか、旦那がどうしても仕事が厳しそうならそういう道もあるよと伝えられる!と、少しすっきりした気持ちになりました。
そうとなれば、なぜか行動的になる私。
スイッチが入ったように家の片づけなどの家事をし始めたときに、ふと、旦那の仕事終わりに持ち帰ってきた紙袋が目に入りました。
その中身は、前任の学校の離任式で先生や生徒から頂いた色紙でした。
それを見たとき、とっても感動しました。旦那はこんなに仕事をがんばっていたのか。旦那はこんなに周りから頼りにされていたのか。素敵な同僚の先生や生徒たちに恵まれていたんだ、と分かる内容だったからです。(もちろん色紙は素敵なことしか書かないと思いますが)
私まで誇らしくなったし嬉しくなったよ!といった旨を、旦那にラインしたのを覚えています。
お昼休み頃に「ありがとう 大好き」とだけ返信が来ていました。
すいません、正直1人で舞い上がっていました。普段そんなこと言わないタイプの旦那なので、「今日は早く帰ってこないかな~」なんて当時の私はうきうきとしておりました。
帰ってきた旦那 帰ってきてくれた旦那
願いが通じたのか、その日、旦那はいつもより早く帰ってきました。22時ですけど。
ただ、いつもの「今から帰えるよ」のラインが無かったことと、駐車場に車がついた音が聞こえたのですが、中々部屋に帰ってこないこともあり、すこし戸惑いました。
「ああ、もしかしたら車の中で落ち込んでいるのかな」と思って、ようやく部屋に入ってきた旦那に対して「今日は仕事早く終わったんだね!」と明るく声を掛けました。
急いで食事の準備しようと思っていたのですが、旦那の返事がありません。振り向くとへの入り口に突っ立ったままの旦那。
「違うんだ。仕事残して逃げてきた」
「今日死のうと思った。死ぬところ探しながら運転してきた。でもそんな勇気がなくて死にきれなかった」
そこから今までに聞いたことのない大声をあげて大号泣し、過呼吸も起こしていました。
私はただただ呆然としてしまいましたが、とにかく寄り添わなきゃと思い、旦那を抱きしめゆっくり落ち着くまで待つことしかできませんでした。
「そんな勇気は要らないんだよ」「帰ってきてくれてありがとう。」「思いとどまってくれてありがとう」
そんなことを言ったような気がします。記憶が曖昧ですいません。私も号泣してとにかく旦那をここにつなぎ留めくてはといけないと。それだけでした。
パニック状態の旦那にできたこと
次第に少しづつですが大声をあげて泣いている旦那の言っている内容が分かってきて、恐ろしいことを考えていたということが分かりました。
- 今日の仕事が終わったら、どこかから飛び降りようと決めていた。だから仕事をするのも今日で最後だと思うと気が楽だった。
- 仕事終わりに事務局長さんが自分のうつむき加減を気にして声をかけてくれた。その後、係長さんにもフォローしてあげてと声をかけていた。いつもしておられたことだけど、今日のはいつもよりガッツリといった感じだった。申し訳なかった。
- 係長さんから、4月から部署異動されてこられた別の方がずっと休んでおられて、その分の仕事を自分が請け負っている状態であるということを話されて、「正直忙しさでイラついています」と面と向かって言われた。さらに自分のこともあるのだろうと思うと申し訳なかった。
- 係長さんは忙しさとイラつきが相当たまっていたらしく、書類を仕上げるたびにバインダーに挟み、回覧のため休んでいる方の机に放り投げてから帰っていった。自分も係長がイラつかせている原因だと思うと怖くて申し訳なかった。
- 自分の仕事はまだ残っていたが、誰かが代わりにやることを考えて、机の上や棚の中を綺麗に整頓した。
- 係長も帰り、書類の整理も終わったため、そのまま近くの大きな窓から飛び降りようと思った。しかし、先輩たちがまだ残っており、役所で飛び降りたとなると迷惑の範囲が大きすぎると思い、実行できる場所を帰り道に探すことにした。
- 今日だけではなく、運転中は常に対向車に突っ込んできてもらいたいと考えるようになっていた。中央寄りに運転していてトラックが見えるたびにハンドルを切ろうと思った。でも自分から行く踏ん切りがつかなかった。
- とにかく高いところを探して移動していた。迷惑がかかる範囲のことを考えたり、死に切れると思える高さかどうか考えたりしていたら見つからないまま家についてしまった。家の近くのビジネスホテルから、と、駐車場まで行ったが、ホテルから家族に損害賠償とか求められるのかもと思ったら入れなかった。
- 最終的に家の近くの橋の上から飛び降りようとした。(そのため車が駐車場に停まったまま部屋に入ってこなかった)しかし、勇気がなくて死ねなかった。それで部屋に戻ってきてしまった。
「自分は仕事もできなければ、決断もできないし、何もできない終わってる人間だ」
もう怖くて怖くて仕方ありませんでした。
落ち込んでいるだけではなかったんだ。辛い思いをしているだけじゃなかったんだ。こんなにも追い詰められていたのか。事の重大さを改めて認識した、というよりしてしまったといいましょうか。。。、
なにが「そんなこと言わないで」だ。
なにが「マイホーム計画は先に延ばしてでも夢は叶えたい」だ。
私にとって大切なのは、旦那自身。旦那がいることが大事なのであって、仕事がバリバリできて、親になるという心構えが整っていて、マイホームの夢を一緒に叶えてくれる人ではないのです。しっかりと言葉にして伝えることができました。
「あなたがいてくれるだけでそれでいいんだよ」「もう仕事にいかなくていいよ」
その時に先輩から聞いた精神科の話もすることができました。
そういう選択肢があるんだから、それを選んでもいいんだよ。一緒に病院行って診断書をもらいに行こう。今の状態は絶対普通じゃないからお休みもらえるから大丈夫だよと。
旦那はその後、たまっていた感情を出し切ったからなのか、
「少しすっきりした。逃げ道があることが分かったから少し気持ちが楽になった。」
「ただ嫌なことから逃げてるだけから診断書なんて出ないよ。新しい仕事が始まったばかりだから分からないのは当たり前だもんね。明日も早いから今日は寝るね。」
と言い、いつも食べれなかったご飯も食べることができ(残してきた弁当でしたが)、お風呂に入って泥のように寝てしまいました。
私は眠れませんでした。
旦那が考えていたことを実行していたらと思うと怖くて、旦那から来たラインが最後のやりとりだったかもしれないと思うと怖くて、もし明日朝も仕事に行ってしまったら同じことが起こりそうで怖くて・・・。
ぐるぐると考え込んでしまい、旦那を起こさないようにトイレにこもって声を出さないように泣いたのを覚えています。
私ができた後悔していないこと
次の日の朝。
やはり嗚咽声が聞こえ、頭を抱える旦那がいました。夢でうなされて目が覚めたそうです。
その状態を見て私はもう迷いませんでした。本人が行くというのなら止めない方がいいのかと、さんざん迷って遠回りしてしまいました。本当はもっともっと早くいってあげるべきでした。
「もう仕事にいかないで。」「一緒に病院に行こう。」「私が仕事場に連絡するよ?」
最後ははっきり言って旦那への脅しです。
先に挙げた2つを言っても旦那は渋りに渋りました。
自分がやらないと困る人が大勢でてしまう。これ以上迷惑はかけられない。期限が迫っている。会議がある。資料を作らないといけない。自分は嫌なことから逃げてるだけ。自分が弱いだけなんだから診断書なんて貰えるはずがない。多分大丈夫だから行かないと。
正直心配を通り越してちょっとイラっときました。
ちょっと昨日の自分の状態を見てみてきてほしいです。最近の様子を振り返ってほしいです。
仕事が原因で命を絶とうと考えて、実行しようとしている人が大丈夫なわけがない!
「あなたが仕事に行かない、あなたが仕事から逃げたんじゃないの!私が無理矢理休ませるの!私のせいであなたは仕事に行けないのだからあなたのせいじゃない!」
「診断書は絶対もらえるから大丈夫!今はダメだった時のこと考えない!貰えなかったらその時はその時に考えればいいじゃない。職場から何か言われたら全部私のせいにしていいから病院に行こう!」
「休む連絡しないなら私がするよ?私、あなたの職場にヤバい妻だって思われても全然気にしないからね!」
と、携帯で旦那の職場の電話番号を調べたあたりで、堪忍したのか旦那が自分で電話をすることになりました。
旦那の職場の関係者皆様、本当に申し訳ございません。
あの日旦那に仕事を休ませたのは私です。感染症がまだくすぶっている時期なのに変な気を遣わせてしまったと思います。すいません。
謝ってすむことじゃないと思いますが、迷惑この上ないことだと思いますが、良くないことをしていると自覚もありますが、私は後悔しておりません。私にとっては、仕事より期限より書類より会議より、家族の命が一番大事だったからです。
これが私が旦那にできた後悔していないことです。これが良いことなのか良くないことなのかはおいておいてです。
もっとも、よりはやく行動できればよかったという後悔は少しありますし、旦那の仕事に今後大きな影響があるかもしれないですが(職場のみではなく、今後の立場や出世など?)、あの日渋る旦那を無理やり休ませて、寝巻のまま引きずるようにして病院に連れていったことに今も後悔はありません。
もし、今、仕事が原因で精神的に辛い思いをされている方、その方を支えている方、身近にそのような方がいる方がこの記事にたどり着くことがあるのならば。
あなたが生きている。それが一番大事です!
あなた自身、あなたの大切なまわりの人、そして家族を大切にしてくださいね。私は大切にしなくちゃいけない順番で「仕事」が最上位になることは無いと思います。
長くなりました。それでは今回はここまでで。次回に続きます!